八幡まつり

大津祭りフアン倶楽部
      鳥居前の大太鼓

「バスのご利用でしたら、大杉町で下車してください」。JR近江八幡駅の観光案内所で、案内係の女性は丁寧に説明してくれた。4月15日(金)のことだ。

 

八幡まつり(=国選択無形民俗文化財)の会場である日牟礼八幡宮は、駅から近江バスでおよそ5~6分の大杉町バス停で下車し、そこから5分ほど歩く。昨日が宵宮の松明(たいまつ)奉火で、本祭のきょうは大太鼓が八幡宮に奉納される日だ。 八幡宮界隈に到着すると、太鼓の音が聞こえてきた。それは、近くの多賀町太鼓コミュ二テセンターの前庭に準備された、大太鼓を観光客がたたく音だった。ほどなくして、近くの公民館から大勢の若衆が出てきた。出発の準備だ。きょうは風がキツイ。

 

15時。八幡宮の空に時を知らせる花火があがった。ドドン。ドン。境内には多くの屋台の出店があり次第に賑わいはじめた。神社周辺の太鼓宿から各郷の大太鼓9基が出発し町内を練り歩く。16時あたりになると神社の鳥居前に集合した。時間待ちの合間に路上では腕自慢の若衆が太鼓をたたき、しだいに周囲には観光客が集まった。外国人の一行がさかんにカメラのシャッターを押しているのが見える。そして他の郷の若衆までもが観客となった。

 

古来より各郷に伝わるという太鼓の打ち方は、軽快なテンポのリズムだ。胸や腹までズンズンと響くその音に、私の気分は高揚し羨望の気持ちが大きく膨らんだ。

 

この後、夕方には荘厳な雰囲気の中で、順に宮入りが始まるのだが、私の取材はここまでとなった。最後になったが、五穀豊穣を願うこのまつりは、千数百年の歴史を伝えるということを記しておきたい。

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コメント: 1
  • #1

    秋山達男 (土曜日, 23 4月 2016 20:20)

    筆のたつ人はいいですね。
    これを機にエッセイ集とか、短編集とか、沢山書いて下さい。読んで楽しくなるものや、思わず顔がほころびるものや、ユーモアやウィットに富んだものとか、期待しています。
    他人には無い、何かを見つけて下さい。楽しみにしています。秋山。